郷土の博物館 [博物館]
守口と門真へ1日出張。京阪沿線は未知の領域。
門真というと、薫蓋クスと松下電器くらいしか知らなかったが、出張先のすぐ隣に門真市立歴史資料館があったので、合間に見学。
企画展では、歴代の南海地震や洪水についてとりあげられていた。伏見地震の噴砂のはぎとり標本がすばらしい。資料写真もぱっと見てインパクト大なものが多い。
常設展示では、市内出土の貝化石が展示されていた。これらは、いつか借用をお願いすることがあるかもしれない。
↓こんなのも展示・ガリ版・・・小学校の先生が使ってたよなあ
↓岸和田臼・・・この岸和田は「門真市岸和田」のこと・明治初期に発明された
ボルトで締め付ける形式のひき臼。
明治~大正には各地でおもしろい農具が開発された。
郷土史系の小さな博物館は最近、閉鎖や縮小が相次いでいる。
利用者が少ないから、といったらそれまでだが、他から来たものがその地域のことを知るには、分野にもよるが、博物館がいちばん適しているのではないだろうか。
極論かもしれぬが、地域の博物館に人があまり来ないのは、博物館自体の問題(展示がつまらないとか、目新しい情報がない)だけじゃなくて、その地域が停滞しているとか、その地域の魅力が活かされてない、あるいは地域の魅力が失せてきているとか、そういうのもあるんじゃないか、と思う。
さらば長崎 [博物館]
2日目は、シンポジウムと提言と分科会。
シンポジウムと提言は、たいへん実り多いものだった。
特にシンポジウムは、実際に最前線で働いている方の話だったので、おもしろかった。
大会終了後、施設を見学。
↓長崎歴史文化博物館に併設された、長崎奉行所の復元建築
※博物館内は撮影禁止だったので、画像ありません。
工夫しているな、と思う。集客努力は認める。午後7時まで開館している、のも、なかなかないことである。午前中の話のとおり、長崎県が総力をあげて、雇用対策も含めた主要施策のひとつとして取り組んだ、意気込みも感じる。
でも学芸員の顔が見えない(これはシンポジウムの質疑応答でも発言されていたが)。
偶然拝聴できた、特別展の学芸員解説の内容が面白かっただけに、惜しい。
展示の先が読める。
こういう層を狙っているんだろうな、とか、こうすれば面白いだろう、という魂胆とか。
管理をされている展示業者が考えそうなことだなあ、と、同業者ならすぐ分かる。
(こういう見方は少数派だろうけど)。
展示が「おもしろい」ものにこだわりすぎ、全体にとりとめなくて、疲れる。
学校や観光団体はおもしろがるかと思ったが、お年寄りの団体さんの参加者が「目が慣れなくて疲れるなあ」とおっしゃってた。
私だけと違うんやと思って、そのおじいさんに話しかけると、パネルの色づかいが赤とか真っ黒とか派手なうえに透過光を多用しているし、液晶が明るすぎて、部屋全体が暗くて、展示ケースは明るいので、目がしょぼしょぼしてきたらしい。スポットライトも明後日の方向を向いているのもあって、目にまともに入るし。
じいちゃん、私も同じやで。これが続くと、目も疲れるよな。
耳も疲れる。モニターから出てくる音声が、隣の音声とまじって、聞き取りにくい。
全部見る、という姿勢ではなく、適当に見飛ばしていけ、ということかもしれない。
おいおい、そこまではっきり言い切っていいのか、みたいな、危うい展示もあった。
言い切ったほうがおもしろい、ということであろうか。
「わかってない」ということも、学問の魅力なんだけど、こういうあいまいさは展示の魅力ではないからだろう。
「わかりやすく」するのに、必要だったのか。
出来たばかりだから、いろいろ問題があるし、私自身だいぶ意地悪な見方をしているところもあるので、こんな感想となってしまったが、担当の方や県の意気込みが、これから良い方向に向かうように、してくれるだろうと思う。
帰りは、これに乗って帰ってきました。
↓ひさびさの寝台列車
寝台列車は値段高いよ~と言われてたが、そうでもなかった。
快適快適。
特別展のアイデア [博物館]
次年度の予算要求が近いので、皆で集まって計画をたてる。厳しいことはいつも通り。
千円単位の出し入れが続く。
そのなかで出てきたのが、次の特展に何をするかという事。
面積が狭いので、内容にどうしても制限がある。それでいてインパクトのあるもの、というと難しい。今までは、自分たちの研究成果や地域自然史が多かったが、どうも一般受けしないからなあ。 おもいっきりサブカルでいきますか。
衛生害虫と人との戦い展・科学大名展・何でも一番展
などなど、いろいろでてくるが、いまいち地味。
恐竜でもど~んと展示できれば問題は一気に解決するのだろうが、そういう金もスペースもないからなあ。
でも、最後にはなんかよい感じのアイデアが出てきました。
たぶんこれになるでしょう。
次回にむけて、がんばりまっしょい。
論文は、少し足踏み。会議と出張でほとんど時間がとられてしまいましたから。
それぞれの路線変更 [博物館]
●路線変更その1
知人の勤める公立博物館(歴史系)が,事実上閉館に追い込まれるらしい.
正確には,見た目そのままで博物館機能をなくし,娯楽系に譲り渡すとのこと.名前変えないようだが,中身はすっごく変わるだろう.
あの建物自体は娯楽で使えるだろうが,けっこう手を入れないといけないはず.そこんとこ分かってるんだかどうだか・・・.
確かに,年々老朽化して,目新しいものもなくなってきていた.展示メインで普及活動もしてなかった.でもそれは,予算も人材もどんどんなくなっていたから.
身につまされる路線変更である.明日は我が身かもしれぬ.
●路線変更その2(1のようになってはいけないからなあ)
仕事場の目下の問題は,利用者が増えないこと(減少してないのだが).
それは,交通の便とか駐車場の問題があるのだが,最近あまり仕事場自体の宣伝をしていなかったのが原因(野外行事や出張授業は宣伝してるんだけどね).
それは根本的に予算が・・・.と,こんなことを言っててもいけないので,ちょっと路線変更.
1.学校などへ出張授業へ行ったときには,仕事場の紹介も必ずする(今までしてなかったのよ).
パンフレットもみんなに配る.今までどちらかというと,「うちなんかにくるより,すばらしい自然環境にふれてね」的なことを言ってたので(だってうちの中身しょぼいから),これは大きな路線変更.
いや~しょぼくても,自分から自分の仕事場をけなしちゃあいけないねえ.
それに,しょぼいなら自分で変えられるところだけでも,ましにせんといけんわい.
2.仕事場の施設でできる事業はなるべく仕事場内で行う.使い勝手悪いが.
えらいもんで,これだけでも,利用者が少し増えた.
あとはプレス対策だが,うまくつきあわないと,こちらの言いたいことが伝わらないことがあるから,気をつけないと.
●路線変更その3
論文のほうは,英文も整って最終段階,と思われたので,さっそく,論文を書き慣れている同僚に読んでもらうと,鋭い指摘をばっしばしと.
いちいちもっともなので訂正してみると,良い感じになったが思ったより分量が多い.図をいれると規定枚数をオーバーするので,路線変更.長ったらしい原著は嫌われるもんね.
1.2種の相違について述べていたが,1種だけにしぼる.
2.考察の部分を変更.代表的な例を最初にもってきて,わかりやすくする.
3.生データの数値をできるだけたくさん出す,省略しない(いちばん見たいのはここだろうから).
●路線変更その4
独身主義者と思われた周りの人間が最近,どんどん結婚していってる.知っているだけでも3組. 一番大きな路線変更やね.
盛岡市立動物園 [博物館]
学会2日目は、ポスター発表。
ツバメやハシブトガラス、屋根の上で繁殖するカモメのなかまなど、内容盛りだくさん。
こういうのを見ると、私もがんばらにゃなあ、と思う。
空き時間に、盛岡市立動物園へ。多彩な動物がいて、びっくり!
シロサイの「サイカ」ちゃん
↓泥地ででろ~んとしてます。ご機嫌さんです。
キリンは、檻の間から、長い舌を出して草を食べてます。
↓さっきエサやりショーあったばっかじゃん。
一番興奮したのはゾウのエサやりショー
おとなだけでもかまわない、とのことなので、参加させていただきました~
↓これは、私の前のお子さんが体験しているところです。
↓ありがとね、マオちゃん(女の子、4歳)・うしろにいるのは将来のおむこさん、たろう君(15歳)
いい夫婦になるといいですね。
大散財! [博物館]
生き物へのエサやりが大好きである。
小学1年のころ、家族旅行で東京に行った折、浅草寺のハトに1,000円以上ハトマメを与えたりことにはじまり、現在も動物園のエサやりコーナーは、全部試してみないと気が済まない。その延長で、罰当たりではあるが、厄年の餅まきの撒く側になるのも好きである。
とにかく、生き物が食物に寄りつく様が好きなのである。
で、今日も懲りずにやってしまいました。
魚と遊べるパラダイス「南郷水産センター」で。
南郷水産センター
http://www.eonet.ne.jp/~suisancenter/
↓魅惑のエサ売り場。「チョーザメ」って・・・。
↓チョーザメ(チョウザメ)です。キャビアの親御さま。
チョウザメもエサを食べてくれましたが、沈んだのを吸い込むって感じで、華がないエサやりです。
やっぱりエサやりは、こっちのほうがよいですね!
↓大きなコイが麩にかみつく!咽頭歯見えそうですがな
気が付くと、コイ様のエサに2,000円くらい使ってしまってました。ばか~。
南郷水産センターは今から8年くらい前も行きましたが、その時のコイはもういないのだそうです。 2004年のコイヘルペルウイルス感染のとき、それまでみんなに親しまれていたコイたちは、法に基づく国の命令で、処分しなければいけなかったのだそうです。
水産センターHP内「愛しの鯉達」を見ると、それがどれだけ飼育担当者にとって辛かったことだったかが、うかがえます。
↓鯉の供養になりますよう・鯉御輿の前で
体験というものについて [博物館]
昨日(12日)で、大阪市への出展も終わり。
この土日で、約20,000人もの人が集まったらしい。
↓今回のシンボル・ナガスクジラの骨格(本物手作り)
今回改めて思ったのは、今の子どもたちにとって「自然体験」は、特別なものだということ。
私の子ども時代には普通だった、木登りや石けり、カエルやザリガニ釣りは、放課後にふつうにするものではなく、意識的に体験しないとできない、貴重な体験なのだ。
また、子どもがしてみたいと思っても、家庭や学校に教えてくれる人はいないことが多いらしい。
今回の私たちのだしものである、チリメンジャコの混じりものを探す体験コーナーにしても、昔ならふつうにイカやタコやカニの子どもがまじっていて、夕ご飯のときについでにやっていたものだったのに、最近はクレームを出させないように、そういう混じりはすべて取ってしまうから、今の子どものほとんどは体験したことがない。
今回用意したのは、工場から混じりものを取る前のものをもらったものだが、子どもたちはそれを使って目を輝かせながら、「タコ」や「イカ」さがしをしていた。タツノオトシゴを見つけた子どもは、とっても喜んでいた。
こういう子どもの目の輝きを見ていると、子どもにもっといろいろな体験をしてもらいたいとつくづく思う。そして、興味の引き出しをたくさんもってほしい。
そのお手伝いをするために、この仕事にとどまっているのかな、と思う今日このごろ。
大阪市は大盛況 [博物館]
↓今日は、大阪市の長居公園内にある博物館の、この催しに出展してました。
http://www.mus-nh.city.osaka.jp/npo/fes/2006/index.html
大阪にある自然関係の団体やサークルが一同に会し、ご自慢の一品を展示したり、成果を発表したり、体験コーナーを設けたりする、見本市みたいなもんです。今回で3回目です。
いや~世の中にはユニークな方が多いなあ、とつくづく実感いたしました。
私の仕事場の出展内容は、お湯で柔らかくなる樹脂「おゆまる」で、化石レプリカを作るもの。
今日1日だけで300名以上のお子さんが、このブースで化石レプリカを作りました。
私だけでは対応できかねる人数でしたが、お手伝いのボランティアさんのおかげで、ずいぶんはかどり、助かりました。
↓がんばるこどもと、サポートしてくれるボランティアさんたち
会場全体では、10,500名もの参加があったそうです。すごいなあ。
この催しは、明日までなので、今日は早く寝て疲労回復をはかることにします。
↓おかたづけ直後・疲れた~と座り込む一同
さて、今日の出展のお手伝いに、私の尊敬する人が来てくれました。
この方は、子どもや環境関係のボランティアを30年以上されている女性なのですが、昼ご飯をご一緒した後、ゴミコーナーの分別が乱雑になってあふれているのを見ると、おひとりでそのゴミを分別されはじめたので、あわてて私もお手伝いしました。
その方は、「自然を守る活動をしている方によるお祭りなのに、こういうところがだめなのはとても残念だから、今のうちにきれいに分別して、次の方につなごうと思ったの。1人で思ったことだから、気を悪くしないでね。」とのことでした。
私は「汚いなあ、事務局、ちゃんとすればよいのに。」しか思っていませんでした。
この方のように、「できていないのなら、私が出来る範囲でしよう」と思えませんでした。
たいへん反省。
私もいつか、この方のように、人がすれば良いではなく、まず自分が動く、という人になりたいなあ、と思ったのでありました。
おはなし会 [博物館]
↓紙芝居です~
今日は、仕事場で初めての試み「おはなし会」である。
こういう会はふつう、図書館で行われるものだが、博物館施設でも、視点をかえて行えば楽しいかも?と思い、友達の図書館司書さんといっしょに、企画したのである。
学生時代、司書の資格をとり、図書館でアルバイトをしていたので、ブックトークは経験あるのだが、10年以上もブランクがあるので、ちょっとどきどき。
・・・結果は、課題はいろいろあるけど、やっぱりうちでやってよかったかな・・・です。
それと、普段と違う子どもたちのリアクションが見られて、ほんとうに勉強になりました。
同じ地域の生涯学習施設は、いろいろ交流して互いを高めないと、利用してくださる地域の人々に失礼ですからね。
昆虫大好き! [博物館]
↓ヤエヤマツダナナフシ・全長20cmあるでっかいナナフシ
先週土曜日、伊丹市昆虫館から学芸員さんたちがきてくれて、私の仕事場で昆虫と楽しむ会を開いてくれた。
先月、わたしたちが伊丹市で化石の講座を開いたおかえしである。
見たこともない大きな昆虫たちに、子どもたちはびっくり!
↓オオゴマダラ
大きなゴキブリは人気がなかった。お母さん方、ドン引き。
ゴキブリといっても森にすむやつで、お家にいる種類とは違うんやけどね。
見た目って大切ね。
いろいろあったが、盛況のうちに、行事は終了。
昆虫館の昆虫プログラムも、私の仕事場の化石のそれも、地元ではおなじみなのだが、場所がかわると、こんなに人気なものだったとは。
来年もこの企画やりましょうね、と、昆虫館さんと話しあいながら、楽しい高揚感のまま、その日はおわっていった。